企業や個人の共同事業の形態として、株式会社・有限会社・有限責任事業組合の他に『協同組合』があります。
そして協同組合をさらに分類すると
『中小企業等組合法』に基づく『事業協同組合』・『企業組合』など
『中小企業団体の組織に関する法律』に基づく『協業組合』・『商工組合』など
『商店街進行組合法』に基づく『商店街振興組合』など
があります。この他にも他の法律に基づいていろいろな『協同組合』がありますが、ここでは主に『事業協同組合』と『有限責任事業組合』とを比べてみたいとおもいます。
有限責任事業組合は株式会社や有限会社と同じで『営利』を目的とします。なので、法令に違反しない限りは原則として事業目的に制限はありません。基本的には共同研究、共同開発、協同加工、協同販売など複数の企業や個人で行う共同事業を想定しています。
『中小企業等協同組合法』で
と定められています。
基本的にはこちらも共同研究、共同販売、共同開発など複数の企業や個人の共同事業を目的とします。しかし、こちらは『組合員のための共同事業』が目的となります。
『中小企業等組合法』では『組合員の相互扶助の精神に基づき、組合員の公正な経済活動の機会を確保し、組合員の経済的地位の確保を目的とする』となっていて、第一に組合員のことを考えることになっています。
利益をあげることがまるっきり禁止されているわけではありませんが、組合が儲けること(その利益を分配すること)は目的ではありません。
法人格はありません。法人格がないと組合名義で不動産などの資産を購入したり、契約をしたりできません。実務上はそんなに支障はないと思われますが、あくまで法人格にこだわるならこの形態はおすすめしません。
法人格があります。
『有限責任事業組合(LLP)』そのものには税金はかかりません。『有限責任事業組合(LLP)』の利益と組合員の事業による利益とを通算して税金を払う事になります。
法人格がありますので基本的に法人税がかかることになります。が、公益法人的な性格もあるので税の負担が株式会社などより軽くなります。
具体的には法人税率が通常の会社より低かったり、内部に留保した利益は一定額までは税金がかからなかったりします。
その他にも税金が安くなる場合がありますので、詳しくは税理士さんや税務署へ問い合わせた方が良いでしょう。
この制度の売りのひとつでもありますが、設立手続が簡単なのが有限責任事業組合(LLP)の特徴です。次のような手続になります。
出資をした時に(契約で発効日を定めたときはその日が到来したとき)に組合が成立して登記は第三者への対抗要件となります。
組合の運営方法、議決権、配当など相当の自由度がききますが、その分組合員で事前にちゃんと話し合っておかないとトラブルの元になるでしょう。
だいたいの手続の流れはこんな感じです。行政庁の認可が必要になりますので、行政庁の意向に沿わないと認可がおりない可能性があります。設立するときは事前協議が必要でしょう。
設立手続の相談や事前協議は各都道府県にある『中小企業中央会』が応じています。
どちらも『いくら以上なければいけない』という決まりはありません。ただし、事業協同組合はある程度の出資金を用意しないと認可がおりないようです。
『有限責任事業組合(LLP)』は最低2人(2社)必要です。
『事業協同組合』では最低4人(4社)必要です。実際にはもう少し多くした方が認可がおりやすくなる傾向にあるようです。
『有限責任事業組合(LLP)』は法定された機関はありません。
『事業協同組合』は『理事』が3人以上、『監事』1人以上、業務執行の決定は『理事会』、毎年1回は『総会』を開かなければなりません。
『有限責任事業組合(LLP)』では必ず存続期間をきめなければなりません。この期間は『○年○月○日』や『○年○月○日から何年』などのように明確な期間で定めなければならず、『○○○○になったら』などの条件にかからしめることはできません。ただし、この期間は期間満了前に変更して延長する事もできます。さらには自動更新の規定を契約におりこむことも可能です。
『事業協同組合』では存続期間を定める事は自由です。定めた場合は定款に記載しなければなりません。
『有限責任事業責任(LLP)』では組合員は必ず何かしらの業務を執行しなければなりません。出資のみの参加は認められていません。課税逃れのためだけに参加するのを防止するためです。
『事業協同組合』では組合の事業に一定の割合の組合員が従事しなければなりません。また、組合員以外の組合の事業の利用が制限される場合あります。
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