有限責任事業組合(LLP)の設立手続手伝います

有限責任事業組合(LLP)とは

8月1日から始まった新しい制度です。有限責任でありながら機関設計も自由で、内部自治による迅速な意思決定を特徴とする企業形態です。主な特徴としては

  1. 有限責任

    株式会社などと同じで倒産しても基本的には個人の財産は守られます。

  2. 内部自治

    株式会社と違い『ああしなさい』『こうしなさい』と決められていることが格段に少ないです。設立手続きも簡素化されて、その後の運用も簡素化されています。

  3. 構成員課税

    株式会社と違い組合そのものには課税されません。組合の利益を組合員(構成員)に分配し、組合員(構成員)が各自で確定申告することになります。

具体的な活用例

国が示した活用例は次のとおりです

  1. プログラマー+デザイナー+セキュリティー+営業=ソフトウェア共同開発販売
  2. 広告代理店+映画会社+アニメプロダクション+出版社+テレビ会社=映画制作
  3. 大企業+個人=共同研究・開発・販売
  4. 中小企業+中小企業+中小企業=高性能部品の開発・製造
  5. 同種企業+同種企業+同種企業=設備を集約し共同利用
  6. 農家+食品加工会社+物流会社+情報管理会社=無農薬野菜加工会社

法人や個人が行う共同事業、共同販売、共同研究などを想定した制度ですが、想定の枠にとらわれず自由な発想で利用してみてはいかかがでしょうか。

例えば・・・

◎ ロックバンドをLLPにしてみる。

◎ 大工さんと電気屋さんと水道屋さんと建築士で家を作る。

◎ 飲食店やレストランなどがみんなで生ゴミを肥料にして売る

◎ 中之条町の方で建設業者がいくつか集まって組合を作り、農業の請負業務をしているそうです。この組合はLLPではないのですが、こういったこともLLPで行えるでしょう。

◎ 種牡馬のシンジケートなんかもこれが利用できないでしょうか。今現時点ではどういった形態なのでしょうか?

出資者の責任は有限責任

株式会社や有限会社と同じで有限責任事業組合(LLP)もあらかじめ出資した額だけしか責任を負いません。組合に何かあった時に債権者は組合員個人の財産の差し押さえなどができません。

組合員は1円以上の出資をしなければなりせん。現物出資は可能ですが、労務出資は認められません。又、組合員は何らかの業務をしなければならず出資のみの組合員は認められません。法人が組合員になったときは自然人の業務執行者をきめなければなりません。

組合の運営方法・機関は原則自由です

法定の機関がない

取締役、総会など法定の機関はありません。組合員全員が業務を執行し組合を代表します。対外的な代表者は定められません。

利益配当の自由

回数、時期、割合などが自由に決められます。貢献度などを考慮して話し合いで決められます。ただし、債権者保護のため一定の金額は配当ができません。出資割合と異なる割合で分配するときは、総組合員で同意をしてその分配の取り決めを書面にして保存しなければなりません。

業務執行の意思決定

原則は全員一致です。もともと多数の組合員を想定した制度ではないので全員一致もそう難しくはないでしょう。 組合契約で他の決定方法を定める事もできます。出資割合による決定権の差をなくす事ができます。ただし、「重要な財産の処分と譲り受け」「多額の借財」は全員一致または、総組合員の3分の2以上でなければいけません。

構成員課税

組合には課税されません。各組合員は組合からの配当と各組合員の所得とを通算して各組合員が申告して税金を支払います。

組合が赤字のときは各組合員の所得から控除(但し、出資額が限度)されますし、各組合員が赤字のときは組合の配当から控除できます。

法人格はありません

法人格がなくても実務上はそんなに支障ないと思われます。法人格がないとその法人名義で登記などができません。しかし、有限責任事業組合の場合は有限責任事業組合の財産である事が表示され、共有物分割禁止の登記がされ、個人の債権者は差し押さえができません。

株式会社などの法人格のある会社形態へは組織変更はできませんので注意してください。いちど有限責任事業組合(LLP)を 解散してから新たに設立する事になります。

設立手続

設立手続の手順としてはだいたい次のとおりです

1・有限責任事業組合契約の締結・・・最低2以上の組合員が必要です

2・出資金の払込、現物出資の給付

3・登記

株式会社などのように定款の認証、取締役会の開催、取締役の調査などが必要なく手続が簡略化されています。設立まで順調にいってだいたい10日ほどでできると思います。

ただし、機関設計・配当・その他が自由である半面、設立に際しては十分な話し合いが必要になるでしょう。

費用

設立手続そのものにかかる費用は登録免許税の6万円です。

LLPと組合員の取引

LLPが組合員のだれかに対して仕事を請け負わせることもできます。

この場合の会計処理は請け負った組合員とその他の組合員の取引として処理をすれば良いそうです。

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